ブログ 牧田総合病院

消化管出血という病気があります。

上部消化管出血は胃や十二指腸から、下部消化管出血は小腸や大腸から何かしら原因より出血をしている状態を表しています。

対処療法として標準的なものは内視鏡的止血です。止血用クリップいうものを出血部位に留置して出血を止めます。

内視鏡下で出血部位がすぐに判明すれば処置も行いやすいのですが、中には出血部位が判明しづらい症例があります。

出血部位を探す検査として造影剤を用いた検査もありますが、造影剤アレルギーの方や腎臓の機能が悪い方には造影剤は使えません。

そんなときに造影剤を使用せずに行える検査が『消化管出血シンチグラフィ』です。

99mTc-HSADという放射性物質を注射すると、出血箇所に集まります。すると出血箇所から放射線が出るので、それをガンマカメラで画像化します。経時的に撮影することでその過程を描出する事もできます。

出血が少量の場合には、造影CTよりも検出能が高いと言われています。

実際の画像です。

注射から10分後

注射から4時間後

緑色の矢印部位が出血源を表しています。この画像のままだと、ちょっと位置が分かりづらいのでCT画像とフュージョンさせてより出血部位を分かりやすくします。

このような画像を作成し、治療へとつなげていきます。

上行結腸に出血源あり内視鏡下で止血クリップを留置した症例でした。

当院には消化器内科があり、日々治療にあたっています。また、内視鏡センターもあり、8台体制で内視鏡が稼働しています。

消化器の事でお悩みでしたら牧田総合病院をご検討ください。

放射線部 K