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当院の放射線科で行っている検査に核医学検査(RI検査)があります。
その中の一つである『センチネルリンパ節シンチグラフィ』について紹介します。
センチネルリンパ節とは、がんが転移する時に最初にたどり着くリンパ節のことです。このリンパ節にがんが転移しているかどうかを調べる検査がセンチネルリンパ節シンチグラフィです。
当院では主に乳がん手術前のセンチネルリンパ節シンチグラフィを行っています。
乳がんの場合、脇の下に10~15個のリンパ節がある中で乳がんが最初に転移するリンパ節をセンチネルリンパ節と呼びます。
手術の前日に検査を行い、センチネルリンパ節に転移しているかどうかを調べます。センチネルリンパ節に転移が無ければ、そのほか全身のリンパ節にも転移していないと言われています。そのためセンチネルリンパ節への転移の有無を調べることにより、手術でどれくらいの範囲を切除するかが決まります。
検査はまず注射を行い、2時間後に30分程度の撮影を行います。
注射は乳がんがある乳房の乳輪付近に行います。注射の時は麻酔を使わないため痛みが伴います。注射が終わると入院の手続きをしていただき、入院後に撮影を行います。
撮影は先にCT検査を行ってから、核医学検査の撮影を30分程度行います。CT検査・核医学検査を行うことで2つの検査の合成画像を作成することができます。
下の画像は核医学検査の写真です。
赤の矢印がセンチネルリンパ節、青の矢印が注射部位です。注射部位は他の部分よりも放射線が強く出てしまうため、検査中は鉛を置いて撮影します。白く四角く見えるところが鉛です。
ちなみに緑の矢印は肝臓です。
次にCT画像と合成した写真です。
左の画像の白く光っている部分がセンチネルリンパ節、右の画像の白く光っている部分が注射部位になります。核医学検査の画像だけではぼやけていてわかりにくいこともありますが、CT画像と合成することでわかりやすくなります。
当院では乳がん手術前のほかに、悪性黒色腫のリンパ節転移疑いなどでもセンチネルリンパ節シンチグラフィを行うことがあります。
少しでも気になることがあればぜひ当院の受診をご検討ください。
放射線部 K.S