内服薬の使い方

内服薬とは

錠剤やカプセル剤、こなぐすり、みずぐすりなどの飲み薬のことです。

錠剤・カプセル剤を飲む前に

錠剤・カプセル剤は包装から取り出してから飲みましょう。そのまま飲んではいけません。包装のまま飲むと食道粘膜を傷つけることもあり、たいへん危険です。
また、包装から取り出すときは、指を傷つけないように注意し、1回に飲む量だけにしましょう。

薬の飲み方

  • 錠剤やカプセル剤は、かんだり、開けたりしないで、そのままお飲み下さい。
  • 薬は、水かぬるま湯でお飲み下さい。薬によっては、お茶や牛乳、ジュースなどで飲むと、効果が強くでたり、効きにくくなるものがあります。
  • 本人以外の薬は使用しないで下さい。

薬を飲む時間

  1. 食前とは、食事の30分前が目安です。
  2. 食後とは、食事の30分後が目安です。
  3. 食間とは、食事の2時間後が目安です。
  4. 寝る前とは、寝る前30分位が目安です。
  5. ○○時間毎とは、食事に関係なく指示された時間毎にお飲み下さい。

外服薬とは

飲み薬ではありません。体の特定の場所に、ぬったり、はったりする薬です。

薬の保存方法

  1. 薬は変質しやすいものですから、湿気、高温、光を避けて缶などに保存して下さい。
  2. 薬は、小児の手のとどかない安全な場所に保管して下さい。

薬を飲み忘れた時

糖尿病の薬の場合

飲み忘れた場合は、次の指示された時刻に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

週1回の骨の薬(ボナロン、アクトネルなど)

飲み忘れた場合は、気付いた日の翌朝に1錠を飲んでください(飲み方はいつもと一緒です)。次からは、決められた曜日の朝に飲んでください。ただし決して2回分を一度に飲んではいけません。

ホスレノール

食事の直後に飲み忘れてしまった場合は、食後30分以内であればすぐに飲んでください。ただし、30分以上過ぎてしまった場合には、1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

フォスブロック

飲み忘れた場合は、食事中や食事の直後に気がついた時にすぐに飲んでください。それ以外の場合には、飲まずに、次の食事の前に飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

リウマトレックス

飲み忘れた分は、飛ばして問題ありません。翌週から通常通り飲んで下さい。症状が安定している場合、1週間飛ばしても効果減弱はないと言われています。

一般的な方法

飲み忘れた場合は、気がついた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合 は、忘れた分は飲まないで1回分を飛ばしてください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

目薬・眼軟膏の使い方

目薬の使い方

  1. 手には多くの雑菌が存在するため、これらの菌によって目が汚染されないように、石鹸などで十分に手を洗って下さい。
  2. 次に指で下まぶたを軽く引き、容器の先がまぶたやまつ毛に触れないように点眼します。
  3. 目薬をさした後は、まばたきにより涙とともにお薬がでてしまうため、目をとじるか目頭を軽く押さえます。また、溢れ出したお薬は、皮膚炎の原因となることもあるため、きれいなガーゼやティッシュで拭き取ってください。

眼軟膏の上手なつけかた①

  1. 手を石けんでよく洗って下さい。
  2. 鏡を見ながら下まぶたを下にひき、チューブの先がまぶた・眼球に触れないように、注意しながら下まぶたに向かって、チューブを少し押して薬を出します。
  3. 目を閉じ、軟膏が溶けて全体に広がるまで少し待ちます。
  4. チューブの先が不潔にならないように注意して、ふたをします。
イラスト出典:参天製薬

眼軟膏の上手なつけかた②

  1. 手を石けんでよく洗って下さい。
  2. 清潔な個包装の綿棒にチューブから軟膏を少し取り、下まぶたを押し下げて、下まぶたの中に入れます。
  3. 目を閉じ、軟膏が溶けて全体に広がるまで少し待ちます。
  4. チューブの先が不潔にならないように注意して、ふたをします。
イラスト出典:参天製薬

2種類以上の目薬や眼軟膏を使用する場合

1つ目を使用してから、5分以上の間隔をあけて次の目薬を使用してください。すぐに次の目薬を使用すると、最初に使用した目薬は、後に使用した目薬の液によって洗い流されてしまいます。

目薬・眼軟膏の順序

2種類以上の目薬を使用する場合、医師の指示が出ている場合はそれに従ってください。特に指示が無い場合は、一般的に次の順序で使用して下さい。

  1. よく振って使用してくださいと指示のある目薬を後に使用して下さい。
  2. 目薬と眼軟膏を同時に使用する場合は、眼軟膏は水をはじいてしまうので、目薬を使用した後に眼軟膏を使用して下さい。

保管方法

  1. 「冷暗所保存(冷凍庫には入れない)」などの指示がある場合にはそれに従い、特に指示がなくても直射日光を避け、なるべく涼しい所に保管してください。特に夏場は、駐車されている自動車内はとても暑くなります。自動車内には放置することのないようにしてください。
  2. 使用後はしっかりキャップを締め、専用の袋がある場合は、袋に入れてください。
  3. 救急箱に保管する場合は開封した湿布薬と一緒に保管しないでください。
  4. 小児の手の届かない所に保管してください。

薬・眼軟膏の使用期限

容器に記載されている使用期限は開封前の期限です。
開封後は、汚染の危険性があり、医師から処方される目薬(多くは2.5~5mL)では約1ヶ月、容器の大きい市販の目薬では約3ヶ月が開封後の使用期限の目安です。
また、開封後1ヶ月以内であっても、目薬の中に浮遊物や濁りがあるものは、使用しないでください。

軟膏・クリームの塗り方

軟膏とクリームの違い

軟膏とクリームの違いはクリームには水が含まれていて、油ときれいに混ざっていることです。軟膏には水が含まれていません。クリームが軟膏に比べて塗りやすく、べたつかないのも水が含まれているからです。クリームは軟膏に比べ吸収されやすくなっています。そのため、クリームの方が早く効果が出ますが、軟膏に比べ汗で流れやすい欠点もあります。夏などべたつきが強く感じられる場合など、使用感を考慮して軟膏からクリームに変える場合もあります。ただし、薬の名前に『~軟膏』と書いてあっても、クリームであることもあります。

軟膏やクリームを塗る量は

最近では1FTU(finger tip unit)という単位を用いて軟膏やクリームの塗る量を説明されることが多くなりました。これは人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量が約0.5gで、両方の手のひらに塗る量に相当するという塗り方です。この場合、絞り出した量が約0.5gになるのは25gや50gの大きいチューブです。5gのチューブでは人差し指の先端から第一関節までを2回絞り出した量が約0.5gとなります。1FTUを用いた塗る量は少し多いなと感じると思いますが、軟膏やクリームはたっぷり塗ることで十分な効果が得られます。逆に、塗る量が少なすぎると十分な効果が得られず、長期間塗らないと病気が治らないことがあります。なお、1FTUは本来ステロイドの軟膏やクリームを塗る時の量です。軟膏やクリームによっては塗る量が制限されている薬もあるので注意して下さい。不明な場合は必ず医師や薬剤師に訊いてから塗って下さい。

イラスト出典:ノバルティスファーマより

軟膏やクリームの使用期限

軟膏やクリームの使用期限は数年間ととても長く使用することが可能です。正確な使用期限は軟膏やクリームのチューブを良く見るとキャップと反対の方に書いてあります。稀に記号で書かれている場合もありますが、その場合は薬剤師に訊いて下さい。このように長期間使用可能な軟膏やクリームも使用方法によっては長期間使えない場合があります。例えば、塗る時にチューブの先端を直接患部につけて絞り出したりすると、細菌がチューブの先端に残り、汚染されて使用できなくなることがあります。また、2種類以上の軟膏やクリームを混合して使用する場合も、衛生面だけでなく分離などの問題が起こることがあります。この場合も薬剤師に訊いて下さい。
使用前にはしっかりと手を洗って清潔にした後、指などに絞り出してから患部に塗って下さい。綿棒などでチューブから取って塗ると、より衛生的で長期間使用できます。

軟膏やクリームの保管方法

軟膏やクリームは長期間使用可能ですが、正しく保存しないと使用期限まで使用できないことがあります。特に、温度や光などの影響を受けやすい軟膏やクリームが多いので注意して下さい。軟膏やクリームの保存温度は大部分が『室温保存』です。室温保存とは正確には1℃~30℃の範囲内で保存することです。夏場など30℃と超える場合には冷蔵庫などに保存して下さい。ただし、0℃以下に保存すると凍結して使用できなくなる軟膏やクリームもあるので、冷蔵庫内の温度を確認し、冷気の吹き出し口などを避けて保存して下さい。夏に車内に放置した軟膏やクリームは溶けてしまい使用できなくなるので、放置しないようにして下さい。一度溶けた軟膏やクリームは冷やした後に硬くなっても、同じ効果が得られない場合があるので使用しないで下さい。軟膏やクリームは薬局などでもらう場合、必ず薬の袋などに使用方法以外にも保存方法が書いてあるので、きちんと読んで正しく保存して下さい。薬の袋から出して使っていると使用方法や保存方法が判らなくなるので、必ず使用後は袋に戻して保存して下さい。
参考:公益社団法人 日本皮膚科学会